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第41回栃木県少年の主張発表県大会 実施状況

開催日 平成30年9月22日(土)
会 場 栃木県総合文化センター サブホール

 今年の大会には県内の中学生16,705名の応募がありました。県大会では、8つの地区大会で選ばれた代表16名が、200名を超えるご来場の皆様を前に堂々と主張を発表しました。
 どの発表も、日常の体験をふまえ、自分の生き方やさまざまな社会問題を真摯に考え、自分の言葉で力強く表現した素晴らしい発表ばかりで、多くの人々の心に深い感銘を与えました。

県大会発表者・審査結果
中学校学年 氏 名 題 名
最優秀賞 矢板市立泉中学校3年 神立 千星 「ごめんね」と言わない社会へ
優秀賞
(発表順)
日光市立落合中学校3年 郡司  愛 世界に愛を届けたい
日光市立東中学校3年 寺山佳央理 命の重さとは
大田原市立大田原中学校3年 大江 愛結 私にできること
奨励賞
(発表順)
真岡市立大内中学校3年 小澤 翔真 僕の弟
宇都宮短期大学附属中学校3年 鎌田 華凜 墨の香りを世界に
國學院大學栃木中学校3年 島村 萌生 美しい日本の中の「私」
芳賀町立芳賀中学校3年 菅谷  桜 「おめでとう」
那須町立那須中央中学校3年 三森 楓花 誰もが一等賞
那須烏山市立烏山中学校3年 石田 陽人 地域性の違いを知ることで
小山市立小山中学校3年 白井アイリ 一本のボールペンから
宇都宮市立旭中学校3年 中澤 佳希 祖母が残したメッセージ
作新学院中等部3年 吉田 萌雪 幸せのかたち
佐野市立常盤中学校3年 関塚  萌 私を変えたもの
足利市立第三中学校3年 山口 真奈 私の夢
栃木市立栃木東中学校3年 池嶋 俊平 生きる理由

 大会の司会は、宇都宮市立旭中学校3年の 大竹 奈緒さん、所 暖乃葉さん、田邊 愛実さんの3人が務めました。元気で明るく、しかも的確な進行で、大変好評でした。
 審査の時間には、昨年に続いて宇都宮少年少女合唱団のミニコンサートを鑑賞しました。団員の皆さんのひたむきな歌声が会場にさわやかな風を運びました。
 表彰式では、発表者全員に栃木県更生保護女性連盟から記念品が贈られました。
 また、今年の大会では栃木県青少年育成県民会議会長である 福田 富一 栃木県知事が、表彰式に参加し、式の最後に力強く激励の言葉を述べ、今年の大会を終了しました。


開会式

司会の旭中生徒

宇都宮少年少女合唱団

知事 激励の言葉

最優秀賞
神立 千星 さん(矢板泉中)

優秀賞
郡司 愛 さん(落合中)

優秀賞
寺山 佳央理 さん(日光東中)

優秀賞
大江 愛結 さん(大田原中)

最優秀賞

「『ごめんね』と言わない社会へ」
矢板市立泉中学校3年 神立 千星 さん

 その日、私はとても追いつめられていました。陸上の記録は伸びないし、夕ご飯の用意も手伝わなくちゃいけない。課題も終わさなきゃ…。だから帰宅して祖母が
「お帰り。頑張ったんだね。」
と声をかけてくれたときも、思わず
「ばあちゃんには分からないでしょ!?走れないんだから!」
と声を荒げて怒鳴ってしまったのです。
 祖母の
「ごめんね、そうだよね…。」
という言葉で我に返りました。私はなんてことを言ってしまったのだろう。今もその時の祖母の顔が目に焼きついています。
 祖母は筋ジストロフィーという病気を患っています。聞いたことはありますか?これは徐々に筋力が低下する病気です。幼い時に発症し、小学校高学年頃から車イスに乗る場合が多いそうですが、祖母の場合は進行が遅く六年前から車イスに乗るようになりました。
 祖母は外出を好みません。共働きの両親が珍しく休みだったある日曜日、家族でドライブに行こうとした時も、頑として出かけようとはしませんでした。「出かけよう」と誘う私に祖母は「ごめんね、ちほ。」と笑顔で何度も謝っていました。祖母は自分が家族と外出することで、家族の行く場所が制限されたり、周りの人からジロジロ見られたりするのが申し訳ないと思ったのです。(なんでばあちゃんが謝らなくちゃいけないの!?)と誰にぶつけていいか分からない怒りがこみあげてきました。
 祖母の腕には火傷のあとがたくさんあります。帰りが遅い両親に代わって夕食を用意する時にできるのです。私が手伝えない時は一人で作ります。車イスの祖母にとって台所は少し高い位置にあるのです。
「火傷したの?大丈夫!?」
と聞くと祖母はいつも笑って
「なんでもないよ。ごめんね、遅くて…」
と言います。
 祖母はこのところ、私に頼ることが多くなりました。ペットボトルのふたを開けるのが難しくなりました。トイレの手伝いも増えました。その度に祖母は「ごめんね、ちほ」と言います。いつか車イスでの生活もできなくなるのでは、と思うと私は不安で不安で胸が苦しくなります。
 これから祖母はもっと周りに頼ることが多くなるでしょう。祖母は迷惑をかける、と恐縮するでしょうが、周りの人の手を借りることがそんなに悪いことでしょうか。助け合うことなんてお互いさまです。私が手を貸す以上に私は祖母に心の面でたくさん助けてもらっています。私が辛い時、話を聞いてほしい時、学校で嫌なことがあった時、いつも隣にいてくれたのは祖母でした。
 私は将来「介護福祉士」になりたいと思っています。その夢が持てたのは祖母のおかげです。私が手を貸すことで誰かが少しでも楽になるのならいくらでも働きたい、そう思っています。体の不自由な人もそうでない人も同じように自由に、安心して生活できる社会になってほしい、それが私の願いです。祖母のように「ごめんね」なんて悲しい言葉を言わなくてもいい社会。体の不自由な人も使いやすい施設や建物、それが当たり前の社会であるのはもちろんですが、心もフラットで不自由を感じさせない社会。そういう社会を目指したいです。私一人の力はたかが知れています。でもそう願い、発信し続けていけば、願いは実現すると信じています。それが今まで私を助けてくれた祖母への恩返しにもなると思っています。そしていつか祖母に言いたいです。
「ばあちゃん、ごめんね。ううん、ありがとう。」

 最優秀賞の神立千星さん(矢板泉中)は、栃木県代表として11月11日(日)東京都渋谷区代々木神園町の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される「第40回少年の主張全国大会 ~わたしの主張2018~」に参加します。 全国大会については下の案内をご覧ください。

 全国大会の案内