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第40回栃木県少年の主張発表県大会 実施状況

開催日 平成29年9月23日(土)
会 場 栃木県総合文化センター サブホール

 今年の大会は、県内19,731名の中学生の応募がありました。県大会では、8つの地区大会で選ばれた代表16名が、260名のご来場の皆様を前に堂々と主張を発表しました。
 どの発表も、日常の体験をふまえ、さまざまな社会問題や自分の生き方を真摯に考え、力強く表現した素晴らしい発表ばかりで、多くの人々の心に深い感銘を与えました。

県大会発表者・審査結果
中学校学年 氏 名 題 名
最優秀賞 鹿沼市立西中学校3年 上吉原 由佳 ありがとう、ごめんね
優秀賞
(発表順)
宇都宮市立一条中学校3年 小平 悠華 日中友好の架け橋
宇都宮短期大学附属中学校3年 髙橋 悠那 レッテルなんか打ち砕け!
那須塩原市立三島中学校3年 山口 乃愛 挨拶プラスワン
奨励賞
(発表順)
小山市立小山城南中学校3年 永松 虎太郎 自分を理解する事の大切さ
大田原市立佐久山中学校3年 本橋 菖 愛の一粒
那珂川町立小川中学校3年 佐原 なつみ 命を救う活動
鹿沼市立東中学校3年 小野 琴弓 差別は無知から生まれる
栃木市立大平南中学校3年 安田 彩夏 笑顔でキュウリを頬張りたい
さくら市立氏家中学校3年 田代 千夏 嫌われる勇気
作新学院中等部2年 田中 美森 父の仕事
佐野市立常盤中学校3年 関塚 萌恵 伝統を守る
益子町立田野中学校3年 仙波 日南子 「家族」がいるって幸せ
益子町立七井中学校3年 佐藤 愛果 英語を話すということ
白鷗大学足利中学校3年 下山 美都里 今の私に言えること
小山市立小山第三中学校3年 佐藤 懸 よりよい友達関係から目指すいじめゼロ

*参加者全員に栃木県更生保護女性連盟から記念品が贈られました。

 大会の司会は宇都宮市立城山中学校の生徒が務めました。
 審査の時間には宇都宮少年少女合唱団のミニコンサートを行いました。。


発表の様子

客席

司会の城山中生徒

宇都宮少年少女合唱団

最優秀賞
上吉原 由佳 さん(鹿沼西中)

優秀賞
小平 悠華 さん(一条中)

優秀賞
髙橋 悠那 さん(宇短附中)

優秀賞
山口 乃愛 さん(三島中)

最優秀賞

「ありがとう、ごめんね」
鹿沼市立西中学校3年 上吉原 由佳 さん

 「ピーッ。」
心電図のモニターの線がまっすぐになり,数字がゼロに変わっていきます。無機質な電子音は,その人が二度と目覚めることはないと私たち家族に冷たく宣告しているかのような,悲しい音でした。ついさっきまでこの世で生きていたのに,駆け足で連れて逝ってしまう残酷な現実。私はその時初めて失ったものの大きさに気づきました。
 私の姉は平成25年1月13日に14年という短い生涯を閉じました。あまりにも突然すぎた姉の死。あれから4年あまりが過ぎても,あの残酷な音は耳に残っています。姉は先天性の心臓疾患とダウン症の二つの病気を抱えていたため,特別支援学校に通っていました。発育は遅く,走ることもままならず,体調の悪いときは酸素吸入器を使い,入退院を繰り返す日々が,彼女と私たち家族の日常でした。
 私は姉のことが半分好きで半分苦手でした。なぜなら,障がい者の家族というだけでからかわれたり,差別されたりすることが多かったからです。世間の人は姉が少しでも大声を上げると,姉の方をチラチラ見ながら話します。テーマパークで障がい者パスやゲートを使っただけで,
 「障がい者はずるい。優遇されるから。」
 「気味悪いよね。突然変なことするし。」
などと,心ない言葉を何度も聞きました。その度に,私は悔しい思いをしました。「私は障がい者ではないのに」「姉のせいだ」とさえ思いました。だから,私は姉に当たりました。しかし姉は私がひどいことを言っても,「ごめんね。」と言いました。私は謝れませんでした。障がい者である姉のことを見下していたからです。いつも笑っている姉。亡くなる1日前も笑顔で私に手を振る姉。姉の笑顔は大好きなのに,「苦手」と思ってしまう自分。そうです。差別や偏見を一番していたのは,私だったのです。
 「ごめんね。」今,姉に伝えたい言葉です。もっと姉に歩み寄れたら,もっと姉を理解できたら,もっと,もっと……。姉の年齢を超えたからこそ気づく後悔。では,私は何をするべきなのか。何ができるのか。真剣に考えました。私だからできることがきっとあるはずです。やっと見つけた目標は,障がい者のことを知り,障がい者の気持ちに寄り添い,この社会から差別や偏見を無くすことです。もっともっと障がい者福祉やボランティアについて勉強し,障がい者と社会をつなぐ助けになりたいと強く思いました。
 そして,もうひとつ姉に伝えたい言葉は,「ありがとう。」です。私は姉の死から夢をもらいました。姉はいつでも私たちに笑顔を向けてくれました。姉は病気と向き合い,一生懸命闘い続けました。姉は確かに障がい者であったけれど,私たち家族の大切な一員でした。私たちと同じ一人の人間という当たり前のことにやっと気付きました。姉の死が私の障がい者に対する価値観や考え方を大きく変えてくれたのです。今,私は医療関係の仕事に就きたいと考えています。姉のような子どもたちをひとりの人間として尊重し,支えることが私の夢となりました。
 もう姉に会って「ありがとう,ごめんね。」と言うことは叶いません。しかし,これからの社会に差別や偏見の芽が,壁が,気持ちが無くなることを願って,今ここで心を込めて伝えます。
「お姉ちゃん,ありがとう。ごめんね。」

 最優秀賞の上吉原由佳さんは、栃木県代表として11月12日(日)東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される「第39回少年の主張全国大会 ~わたしの主張2017~」に参加します。